JOURNEY
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世界を知る旅に出る
VOL.04
日本
What's JAPAN
日本ってどんな国?
経済視点でみると、
昭和の成長期から平成、令和で
成熟段階へと移り変わる日本。
国際的にみれば安定した経済と社会を
築いている日本だが、これからどこへ向かうのか?
※実際に日本を旅した様子を『TRANSIT 64号』に掲載しています。
現在、日本はかつてないほどの円安を経験している。円安になるということは、単純にいえば輸入産業が苦戦して、輸出産業にとっては追い風になる。だから円安によって好調な企業もたくさんあるのだ。なかでも自動車産業は円安にくわえて、半導体不足の緩和もあり好調。トヨタ自動車は、2024年3月期の営業利益見通しを従来計画より50%以上引き上げた5兆3529億円(日本企業初の5兆円超え)※と発表したのをはじめ、ホンダや日産自動車なども同様に上方修正している。
そして、円安などの影響もあって好調なのが、インバウンドの旅行業。2023年の訪日客の数は2506万人でコロナ禍前の2019年のときの8割まで回復。2023年の旅行消費額にいたっては、5兆2923億円という過去最高の数字を記録している。全体としてみれば、停滞気味の現在の日本経済だが、逆をいえば高い水準で安定しているともいえる。そして日本を訪れている世界の人びとの姿をみていると、日本の文化、自然、暮らしの可能性を再発見するような思いにもなる。成熟した日本社会の今と未来に世界も注目しているのだ。
※……ブルームバーグ(2024年)
TOPIC1
健康&平均寿命が世界一!
WHOによって提唱された健康指標のひとつ、健康寿命では日本は世界トップ。平均寿命も同様に世界1位を誇る。元気なお年寄りが多く、長寿な国といえるだろう。健康寿命と平均寿命の差が大きくなると、医療費や介護期間が増えることにもなる。人生100年時代に向けて、老後の人生計画と資産形成を日本人の一人ひとりが考えていく必要がある。
世界の健康寿命ランキング(2019年)
出典:WHO World health statistics(2023年)
TOPIC2
GDPが低迷するも安定力は抜群!
日本のGDP成長率は、2023年は1.9%、2024年予測は0.9%と低成長率で安定。2025年予測では、GDPがインドに抜かれて世界5位になると予想されている。ただし、よい面をみてみれば、年間GDPの変動率はここ数年ほぼ横ばいで、大きくマイナス成長した年もない。国としては高い水準で経済が安定していることの表れでもある。戦争や政変によって情勢が不安定な国々があるなかで、日本は安定した社会基盤があるといえる。
世界の名目GDPランキング(2023年)
出典:IMF(2024年)
主要国の実質GDP 年間の成長率
出典:IMF 世界経済見通し成長率予測(2024年4月)
TOPIC3
外国人が訪れたい
日本の都道府県は?
都道府県別にみると、東京を筆頭に、大阪、京都、北海道、福岡と観光資源に恵まれたエリアが優勢なのがわかる。観光庁の調べによると、滞在日数に関しては、7~13日間が全体の約30%を占めていて※、買い物目当てですぐに帰国するような旅行スタイルではなく、日本にじっくり滞在して楽しむ層が多いことがわかる。年齢層も男女ともに20~39歳がもっとも多く※、一箇所滞在型というよりは、アクティブな周遊型の観光が増えていると予想される。
※……観光庁 訪日外国人消費動向調査(2024年1-3月期)
都道府県別の外国人延べ宿泊者数(2023年)
出典:観光庁「観光統計」(2023年)
訪日外国人旅行消費額
出典:観光庁(2023年)