会社案内
スチュワードシップポリシー
当社は2014年8月に「『責任ある機関投資家』の諸原則 ≪日本版スチュワードシップ・コード≫」を受け入れています。2020年3月には本コードが再改訂されたことを受け当社取組方針を更新しました。また、2022年4月にはスチュワードシップ活動の高度化を図るべく本ポリシーを策定しました。
本ポリシーで定める取組方針は、日本株式運用を念頭に当初作成したものですが、議決権行使のような株式特有の項目以外は、他の運用資産および外部運用機関を通じて投資する場合においても適用することが可能と考えています。各アセットの運用担当者、議決権行使担当者、責任投資担当者は、本ポリシーに則ってスチュワードシップ活動をします。
原則1 機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たすための明確な方針を策定し、これを公表すべきである。
当社は、お客様の中長期的な利益のために、原則として受託財産に係る全ての運用資産において、投資先企業の状況の適切な把握、目的を持った建設的な対話(エンゲージメント)および議決権行使等を通じて、投資先企業の持続的成長や企業価値向上を促すことにより、スチュワードシップ責任を果たします。
- お客様の中長期的な利益への貢献には、投資先企業が持続的に成長していること、投資先企業の事業活動を支える環境社会の持続可能性が保たれていることが重要であると認識し、その両方の実現を目指し、投資先企業との対話を行います。
- 投資先企業の経営戦略や財務戦略、ESG戦略(気候変動などグローバル課題や各社固有のマテリアル要因への対応等)、情報開示、成長フェーズなどを勘案し、適切に優先順位付けのうえ対話を行います。
- 対話を実りあるものとするため、投資先企業の状況の適切な把握に加え、機関投資家ならではの視点の共有など双方向の情報交換や、経営層との対話を通じて、経営の本質に迫る建設的な対話に努めます。
- 対話を通じて投資先企業をより正しく理解することで、企業価値評価を高度化し、投資判断や、議決権行使等に活かすことで、中長期的な投資リターンの改善に努めます。
- 投資先企業との直接対話に加え、議決権行使や、協働エンゲージメント、外部運用機関との対話(投資先企業との間接対話)等もひとつの手段として位置づけ、 スチュワードシップ責任を果たすよう努めます。
原則2 機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たす上で管理すべき利益相反について、明確な方針を策定し、これを公表すべきである。
当社は、現状自己勘定取引を行っておらず、将来行う予定もありません。また、当社と資本関係を有するグループ会社はすべて非上場であり、当社運用ファンドでグループ会社の株式を保有することはありません。よって、お客様との利益相反は限定的であると考えています。
ただし、投資先企業が当社の顧客等である場合に議決権行使や対話に影響する利益相反が起こる可能性は完全には排除できないことから、お客様の利益を最優先し、利益相反が発生した場合であっても、これに適切に対応できるよう、利益相反管理のための基本方針や、議決権行使の基本方針を定めるなど、リスク管理態勢およびコンプライアンス態勢を構築しています。
当社では、議決権行使の基本方針を定め、原則、当基本方針に基づいて議決権行使を判断しています。当基本方針にて判断することが困難である議案については、議決権行使助言会社からの当社議決権行使の基本方針に基づく助言に従い行使することで、判断を歪めることなく一貫した対応を行います。
当社の議決権行使は、運用部門が所管する「議決権行使審議委員会」を軸に実施し、利益相反、コード遵守に係るモニタリングのために、運用部門・営業部門とは独立したコンプライアンス部門が所管する「議決権行使モニタリング委員会」を設置し、結果を取締役会に報告しています。
原則3 機関投資家は、投資先企業の持続的成長に向けてスチュワードシップ責任を適切に果たすため、当該企業の状況を的確に把握すべきである。
当社のファンドマネージャーおよびアナリストは、公開情報や企業との面談等を通じて、運用判断に必要な投資先企業の事業環境・動向および見通しに係る最新情報のほか、気候変動等を含むESGの観点に係る非財務情報も活用し、投資先企業の状況を定期的に把握するよう努めています。
原則4 機関投資家は、投資先企業との建設的な「目的を持った対話」を通じて、投資先企業と認識の共有を図るとともに、問題の改善に努めるべきである。
当社のファンドマネージャーおよびアナリストは、投資先企業の持続的成長、企業価値向上のために、投資先企業との面談等を通じて、投資先企業との認識の共有を運用戦略に応じて図るよう努めています。
当社は、投資先企業の持続可能性と環境社会の持続可能性の両面から対話を行います。対話の視点(例示)は以下のとおりですが、状況と議論される課題に応じて適切にテーマ選定のうえ対話を実施します。なお、優先する対話テーマは、社会情勢の変化や投資先企業の状況等を鑑み、「責任投資委員会」にて定期的に見直します。
- 企業価値向上につながる経営戦略や、資本の効率的な活用など財務戦略
- 環境管理、人的資本管理、ガバナンス機能発揮など、投資先企業固有のESG課題
- 適切な情報開示
- 気候変動・自然資本や人権・多様性など、持続可能な環境社会の実現に必要なグローバル共通の重要課題
投資先企業との対話は単独で行うことが基本ですが、他の機関投資家と協働して行うことが有益であると判断される場合においては、協働して対話を行うことも検討します。
当社のスチュワードシップ活動を担っている「責任投資推進室」においては、アクティブ運用の投資先企業に限らず、パッシブ運用の投資先企業においても、収益性の向上や非財務リスク(ESG要素)などを中心に、中長期的な視点での企業価値向上や持続的成長につながる対話を行います。
ESG課題をはじめとする重大な課題を有すると判断された投資先企業が、再三の対話の申し入れに応じない場合や、継続的な対話を通じて改善や取り組みなど十分な対応がなされず、結果として中長期的な株主利益を著しく棄損、あるいはその恐れが高いと判断される場合などにおいては、当社はエスカレーションを行うことも検討します。
なお、当社はスチュワードシップ活動において、未公表の重要事実は受領しないよう十分に配慮しています。万一受領してしまった場合は、社内規定に基づき、厳格に情報を管理します。
原則5 機関投資家は、議決権の行使と行使結果の公表について明確な方針を持つとともに、議決権行使の方針については、単に形式的な判断基準にとどまるのではなく、投資先企業の持続的成長に資するものとなるよう工夫すべきである。
当社は、お客様の投資リターン向上を目的として、株主利益を最大化する観点から、議決権行使の基本方針を定め、株主議決権を行使しています。議決権行使の基本方針の概要については当社ホームページに公表しています。
当社は、議決権行使助言会社の議決権行使サービスを利用していますが、助言会社には当社の議決権行使の基本方針に則った助言を求めており、最終的には自らの責任と判断のもと議決権を行使しています。 なお、現在においては、ISSとグラスルイスの議決権行使助言サービスを利用しています。また、ISSについては議決権行使事務代行サービスも利用しています。
個別に審議を要すると判断される議案については、助言会社の助言を参考としつつ「議決権行使審議委員会」にて審議を行い判断します(利益相反のおそれのある銘柄は除く)。
議決権行使結果については、個別の投資先企業および議案ごとの議決権の行使結果を当社ホームページにて公表します。
また、議決権行使の基本方針からは判断が困難な議案など、当社が説明を要すると判断する議案、かつ重要と判断する議案については、賛否を問わず、その理由を公表します。
原則6 機関投資家は、議決権の行使も含め、スチュワードシップ責任をどのように果たしているのかについて、原則として、顧客・受益者に対して定期的に報告を行うべきである。
当社の議決権行使の考え方、および議決権行使の結果については、当社ホームページにて公表しています。
スチュワードシップ活動の状況等について、毎年当社ホームページに公表します。
原則7 機関投資家は、投資先企業の持続的成長に資するよう、投資先企業やその事業環境等に関する深い理解のほか運用戦略に応じたサステナビリティの考慮に基づき、当該企業との対話やスチュワードシップ活動に伴う判断を適切に行うための実力を備えるべきである。
当社は、運用会社として、投資先企業の調査、経済環境の分析等に十分な能力・体制を整えていると考えていますが、運用戦略に応じたサステナビリティを考慮のうえ、スチュワードシップ活動を適切に行うため、引き続き能力向上・体制改善に努めます。
毎年スチュワードシップ活動の実施状況について自己評価を行い、ホームページに開示しています。
また、今後も運用戦略を踏まえたうえで中長期的な企業価値向上や持続的成長につながるよう活動の質向上に努めます。